現場ルポ / 「医療とリンパドレナージュの間で」⑩(受傷編)
2023.03.26
先日に杖をつかれているお客様が来店なされました(写真のようにギプスは巻かれていませんが)ともかく歩行には杖が必要だということでした。事前予約のアンケートの情報で「以前に事故で大怪我をした事があるが現在は完治している」ということであった。実際にお会いしてお話をお伺いしないと不明な部分もあるがケアには何ら問題はないのではと私は思っていた
果たして、実際に来店して頂いてカウンセリングを行ったが怪我をしたことで他店でケアを断られた事もあったということであった。でも「完治している」なら以前の事は問題にすべきではないし、仮に「完治していなくとも」ケアの工夫はできるように思えた。以前のブログで似たような事を書いた記憶があるが。足を怪我してる方に「手や肩をケアして」良くない結果が起こるであろうか。ケースバイケースの時もあるであろうが、それにしたって話も聞かない内にお断りすべきではないように私は感じた
それに杖をつかれている状態ならばやはり、どこか普段の生活で他の部位に負担が生じているはずではなかろうか。思った通りに肩こりにて上半身のみのケアをご希望されたため私はケアを開始した。肩も背中も疲れが溜まられていました。無言の内にそのお客様の大変さを感じた。例の事故の傷跡は深かった。様子をお伺いしながらケアを行ったが「大丈夫」という事であった
どちらともなく自然と怪我の話になっていった。お客様は病院を退院なされた後は「色々あった」ことを話してくださった。急性期とリハビリ期では病院を変わらねばならず。
(あくまでも病院側の事情であるが)その中でお客様の大切な記録が失われたこともあったそうであった。「完治にはなってるけどね」とお客様は話を締めくくられた。ご表情は少し悲しそうでもあった。大きな怪我をなされた事は人生の中で深い影響があったのに。正に「医療のシステム上の間」に入ってしまい、どこかご自身の足元を固めるのが、ご自身以外の要因で難しくなっているようにも感じた。傷跡はとにかく深かった。私の脳裏に「お客様、怪我でお辛かった時の思いを心のどこかでまだ引きずられているのでは」と浮かんだ
でも私は何も言わずにケアを続けた。ただ今の「このお客様のニード(欲求)を満たしてあげたい」と考えた。肩も背中もリンパを流した。「何か肩スッキリ」と本当に素敵な表情を見せてくださっていました。